INTELLIGENCE
一礼
● 一礼をする
日本刀を鑑賞する際、先ず、作品を前にして軽く一礼をします。
※一礼は「日本刀の取り扱い」ページでも紹介しましたが、鑑定会や鑑賞会では最初から抜身(ぬきみ)で用意してあります。 白鞘に入った状態、抜身の状態にかかわらず、刀に対して最初に向き合う際、そして見終わる際には一礼する作法を心掛けましょう。
観察・鑑賞の動作
姿
●元先(もとさき)の差
元幅と先幅の差を比べる・・・元先の差が約30%以上で先細り
●反(そり)
反が浅い? それとも深い?
刃長
●目測の基準
刀・太刀・・・2尺3寸(約70cm)
脇指(わきざし)・・・1尺7寸5分(約53cm)
短刀・・・1尺(約30cm)/8寸5分(約25cm)
※手の指を広げた時の長さは約7寸(21cm)
※定寸(じょうすん)について・・・定寸は武家諸法度(元和元年・1615年)以降の概念であり、本来刃長についての基準はない。
[ POINT ]
刃長の感覚・・・二尺(一尺)を基準として、その感覚を身につけます。 自分なりの感覚・基準を元に、目測の経験を積んでください。
▶二尺=約60.6cm/一尺=約30.3cm ※ちなみに、A4コピー用紙のタテは29,7cmです。
形
●本造(ほんづくり)
●平造(ひらづくり)
刀身の形は基本的に本造(=鎬造・しのぎづくり)か平造です。
※これ以外にも様々な形・造込がありますが、基本はこの2種類。
切先(きっさき)
切先の大小は、AとBの長さの差で決めます。
Aを基準として、
●大切先=BがAよりかなり長い場合
●中切先=BがAより同じ位か少し長い場合
※古い太刀で先幅の狭いものに小切先または猪首(いくび)切先と呼ばれるケースがありますが、それらは切先の欠損や研(とぎ)減りの結果による形状であり、最初から小切先のものは極めて少ない。
踏張(ふんばり)
●踏張があるか、ないか。
踏張があれば、生姿(うぶすがた)・生中心(うぶなかご)に近い。
踏張がなければ、研減っているか磨上(すりあげ)中心の場合が多い。
※裾拡がり状のフォルムに見えれば踏張があり、直線的な平行状であれば踏張がないといい、刀の保存状態や健全度を推測できます。
棟(みね)
●棟の形状
●反をどこでみるか?
反は、棟区角(みねまちかど)から小鎬先(こしのぎさき)を経由して、先端になる棟筋先(みねすじさき)に至る棟角の線を、目で追って反り具合を見ます。
※刀身の一番上になる棟筋の線ではありません。多くの方が勘違いをしているようです。