INTELLIGENCE
地肌
●板目なのか柾目(まさめ)なのか?
地肌の基本は、板目か柾目のどちらか。 材木の木目模様を思い浮かべてください。
地金の質にもよりますが、鍛錬によって状態(目の細かさ等)や色が違ってきます。
[ POINT ]
肌目が刀身全体に一様なのか
箇所によって異なるのか
同じ調子の肌目が刀身全体に一様に表れている刀は意外に少なく、箇所によって板目だったり柾目だったりするケースが多く、肌目を見るには刀身全体を観察することが必要です。
※地肌を見るときは、前からの光源ではなく、真上またはやや後方からの光源に照らすと確認しやすいでしょう。
焼幅
●鎬造と平造では焼幅の見方が異なる。
鎬造は刃先から鎬筋(しのぎすじ)までの広さに対して、平造は刃先から棟角(みねかど)までの広さに対して、焼幅が、約3分の1ぐらいであれば「尋常な焼幅」、それより広い場合は「焼幅が広い」、逆に約3分の1に満たなければ「焼幅が狭い」といいます。
刃文
●刃文の種類
刃文の種類はいくつもありますが、基本になるのは直刃で、それ以外の刃文は乱刃(みだれば)といいます。
※刃文は、品質や出来の良し悪しに関係なく、好みや評価は個人の趣向によるものです。
匂口(においぐち)
●匂口で決まる刀の出来
匂口というのは状態を意味し、手口、遣口(やりくち)、切口と同じこと。つまり匂(刃文)の状態のことをいい、ひいては刃文総体を指します。
[ POINT ]
匂口の叢(むら)と刃縁(はぶち)の冴え
一部分だけ締まっていたり太くなったり、部分的に荒沸(あらにえ)が付いた叢のある匂口や、刃縁がボーとして冴えのない匂口は、出来が良いとは言えません。
※良い刃文とは、匂口の出来が良いのであり、刃文の形を褒めているのではありません。
鋩子(ぼうし)
●鋩子の種類
切先の中にある刃文を鋩子といい、多様な形があります。
▶古刀は、乱刃であれば鋩子も必ず乱れる。
▶新刀は、乱刃でも鋩子は直状となる。
▶新々刀は新古(写物)どちらの形式もある。
※鋩子の返の深さにも注意しましょう。
匂口の部分名称
移(うつり)
●移の重要性
匂口の刃縁の上の方(鎬寄り)に移が出ている刀があります。
移の種類には棒移(ぼううつり)と乱移(みだれうつり)があり、備前物の古刀には、必ず移があります。