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重要刀剣

山城守藤原国包

商品番号 : A-012-172

江戸前期 陸前 重要刀剣 白鞘

7,600,000円

刃長:76.0 cm 反:1.8 cm 元幅:3.00 cm 先幅:2.18 cm 重ね:0.70 cm 目釘孔:1つ

体配
本造、庵棟、生中心、鑢目は化粧に筋違。
地肌
揃った柾目肌をよく詰み極めて精美な肌となる。
刃文
焼幅やや広めの広直刃調が浅く弯れて小五の目が交じる。匂口はやや締り心、ほつれて二重刃・喰違刃風の所作が出て砂流、金筋かかる。
鋩子
直調に入って小丸となり掃掛ける。返は浅い。

仙台は国包の刀。二代国包です。説明は要不要かもしれませんが一通りご紹介を。まずは地肌、国包といえば柾目、本刀も紛れもない総柾目で、細かく揃った目を元から先へ叢なく鍛えて精美です。肌の綺麗な女性を思わせるきめ細かな肌合いが印象的です。姿も繊細なイメージがします。鎬は僅かに高くてやや広め、どちらかといえば古風な造ですが、優雅な弧を描く鳥居反風の姿は上品で優しさがあります。だからといって古刀の太刀姿には見えません。洗練されて行き着いた打刀姿が本作だといったら褒めすぎでしょうか。(手にすると、淑やかで可憐な女性をエスコートする感じです・・・下賎な当店には滑稽武藤な絵空事ですが。)

刀の表情を左右する刃文は浅く弯れた広直刃。実際には匂口が締り心の中直刃といった感じで、ほつれた小沸や小五の目、二重刃・喰違刃風の所作もあり、指定証に書かれている広直調に見えるようです。それだけ働きが豊富だともいえ、大和保昌の作域を継承した国包の証明でもあるのです。小沸出来の匂口にふっくらと小沸が付いて、刃縁は冴えて明るく、もちろん荒沸や叢沸もなく見事な焼入です。
きめ細かな柾目に、タテの所作である二重刃・喰違刃、そして金筋・砂流の組み合わせ・・・無理なく自然な造込でありのままに出た所作が見所ともいえる本刀。大和保昌物と比べて柾目鍛の相違を比較してみるのもありです。古風な造そのままなのか、独自の所作が見てとれるのか、それとも変化しているのか興味のあるところです。本阿弥光遜は、初代国包を「地鉄細かく揃った柾目肌になる。刃文、鋩子、地肌とも古作大和保昌と見誤るものが多い。」と評し、二代国包を「総ての作柄は初代国包同様である・・・」と書いています。初代と二代の違いは鋩子ぐらいで、初代は焼詰、二代は返があることで、確かに本刀には浅い返があります。
何かと評価の高い初代ですが、光遜も認めている通り二代も変わりないのです。そうとは言っても作柄が同様だということで、出来に関しては皆さんの評価にお任せするとしましょう。因みにこの家伝とも言える保昌流の作刀は、初代国包、二代に限らず末裔まで受け継がれていて、代別関係なく踏襲しています。

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