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刀
備前國住長舩在光作 永正十七年八月吉日
商品番号 : A-015-S-160
室町後期 備前 重要刀剣 白鞘入(探山鞘書)・拵付
売約済
刃長:70.3 cm 反:2.2 cm 元幅:3.10 cm 先幅:2.00 cm 重ね:0.80 cm 目釘孔:2つ
- 体配
- 本造、庵棟、生中心、鑢目は切。表裏に棒樋を掻通。
- 地肌
- 板目に杢目交じり、やや肌目が立ち、よく詰んで明るく冴え地景が現れ、刃寄りはやや柾心に流れる。鎺元より切先まで移が鮮明に現れる。
- 刃文
- 匂出来の腰の開いた五の目乱に丁子が交じり、尖刃、角ばった個所もある。匂口はやや締り心でふっくらとし刃縁は冴え、刃中に丁子の足、沸崩(葉)が頻りに所作し、金筋・砂流風の個所がある。
- 鋩子
- 刃文がそのまま乱込んで、やや浅く返る。
腰の開いた五の目乱に丁子が交じった末備前の刃文ですが、お馴染みの祐定風ではありません。焼頭の下にによく見られるこぼれたような沸崩はありません。かわりに少し大きめの葉状の沸が所作します。尖刃や少し角ばった箱風の個所もみられ、腰の開き方もやや狭く高低差も少ないあたりは祐定とはまた違った景色です。いい意味で纏まりのある刃文と言えるでしょうか。
地肌はやや肌立っており、明るく冴えた肌目に沿って地景がよく浮き出ていて綺麗です。精美な肌と言って良いと思います。そこに鮮明に移が加わり、見応えのある光景が広がります。正直、美しいです。掲載している画像では、その輝きを伝えることができず残念です・・・本刀は差込研のため、刃文がどうしても黒く少しざらついた感じに写ってしまいます。この地肌と刃紋の良さは、直接感じてもらう他ありませんが、来店して経眼されればその期待は裏切らないでしょう。おっと、忘れるところでした。本刀の棒樋は最初から樋を造り込んだ貴重な生樋です。後世による所作ではありません。そのため銘は、通常(在光に限りませんが)鎬側に刻るところを、中心尻まで掻通した樋を避けて銘と年紀が刻られています。圧倒的に多いとされる鎺元で留めた後彫の皮鉄を削ってしまう樋とは異なり、皮鉄を削らないその強度はより堅固で、反面、手間のかかる造込です。この事実は本刀の高い品質を物語る所作とも言えます。