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刀
肥前国住藤原忠廣
商品番号 : A-SD049
江戸前期 肥前 第9回重要刀剣 白鞘入・打刀拵
12,000,000円
刃長:71.8 cm 反り:1.2 cm 重ね:0.78 cm 目釘孔:2つ(1つ埋)
- 体配
- 本造、庵棟、中心は生で孔は二つ(一つ埋め)、鑢目は切り。
- 地肌
- 小板目よくつみ杢目肌になる、地沸よくつく。
- 刃文
- 腰の開いた五の目乱に少し長めの丁字、足よく入り、匂出来で匂口深く刃縁締まって冴える。
- 鋩子
- 掃掛風の小丸が尋常に返る。
肥前二代忠広の傑作の一口です。姿よく何より地肌が精美。過ぎた所がないといわれる直刃の作に較べれば、過ぎた所だらけといったら褒め言葉にはなりませんね・・・刃文は親である武蔵大掾忠吉の足長丁子に似ていますが忠吉の様に沸ることはなく、小沸というより深い匂出来の足が上品で上手です。五の目が重なって不規則な乱になるあたりも忠吉に似ています。・・・当り前ですね、父親であり師匠ですから、その技術なり所作を受け継ぐのは当然の事です。加えてその自然な刃取りと、身幅に対して少し薄目の重ねがスマートで優しい体配へ仕上げているあたりにセンスの良さを感じます。少し控えめな長い金筋が地景の様に出ている所作も見所の一つです。忠廣の直刃も良いですが、この五の目乱はそれを超えた次元の一振かもしれません。お世辞抜きにいい刀です。
肥前刀は各作者とも現存するものが極めて多く、中でも二代は特に長生きであることと相俟って作刀が極めて多いのですが、この刀はそれら一群の作刀に比して作例が少ない刃文で出来が良く、かつ健全です。ちなみに、本刀は官名である近江大掾が刻まれていません。いわゆる献上銘と言われる特別注文の一振りです。