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太刀・刀

清水甚之進信高 矩武持主 文化元年二月日

商品番号 :B-011-I-021+023

江戸後期 尾張 特別保存刀剣 白鞘・拵付

売約済

刃長:62.1 cm 反り:1.0 cm 重ね:0.75 cm

体配
本造、庵棟、中心は生で孔は一つ、鑢目は化粧に筋違。
地肌
小板目肌よく詰み無地風となり精美な肌となる。棟寄り鎬地は柾ごころ。
刃文
小沸出来の濤欄風の五の目乱、匂口は深く長目の足が入る。大阪焼出にはじまり、表裏の刃文が揃う。
鋩子
直状で深く、先は小丸となり、返りは深く横手下まで伸びる。
備考
大阪焼出からの腰の開いた大五の目、というより濤欄刄です。匂口も深く働き小足もしきりに所作し、極めて精美な肌といい良い出来です。中心を開けずに見れば、新刀期の助広や照包の作を想像するかもしれません。本刀の作者は新々刀期・尾張の刀工、八代・信高です。年紀は文化元年・江戸後期ですから、この作風から見て濤欄刄の写とみて間違いないでしょう。信高は初銘を「信直」といい、のち甚之進に改めたようです。初め六代信高の門人となり、師の没後、薩摩の大和守元平、さらに大坂にて尾崎助隆にも学んだと言われており、作風は尾崎助隆を継承し、越前守助広を模した濤欄刃を得意としたとのこと・・・であれば、本刀は助広の濤欄刄写ということで納得です。これだけ見事に写されれば助広とは言わずも他の濤欄刄を焼く有名刀工に化けなかったことは感謝すべきことです。信高は尾張の著名刀工として知れていたことが幸いしたのかもしれませんね。
姿は身幅広く元先に少し差があり反があまりないがっしりとした体配。新々刀ということもあり、平肉もついていたって健全です。長さは2尺1寸弱でこの時代における定寸より短いこと、「矩武持主」という所持銘があることから特別注文の誂え物とみて良いでしょう。道理で良い出来な訳です。おまけに焼出を伴った濤欄刄ですから、注文主の好みが十分に満たされたことでしょう。

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