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太刀・刀 “うもれし”一振

法華三郎信房

商品番号 :B-048-118

現代 白鞘

売約済

刃長:63.2 cm 反り:2.20 cm 重ね:0.73 cm

体配
本造、庵棟、中心は生で孔一つ。鑢目は化粧に筋違。
地肌
小板目肌よく詰み無地風となり精美。鎬地は詰んだ柾目。
刃文
焼幅やや広く、匂出来の逆がかった五の目乱に足が入る。匂口はふっくらとして刃縁が冴え、尖り刃風の頭が交じる。
鋩子
小模様に乱込んで浅く返る。
備考
元先に差があり反は深目、古風な感じを受けるやさしい姿をしています。焼幅が刃先から一定に保たれた足入り五の目乱ですが、匂口は逆丁子といった方が合っているのかもしれません。足の働は見事で、谷から軟らかく深い小沸が拡がり、総体に途切れることなく切先まで続きます。所々、虻の目や蟹の目となる所作も見られ、この匂出来の足は楽しめます。刃部の地肌は無地風の小板目と書きましたが、よく詰んだ柾目にも見え、流れ心の小板目といった方が妥当かも。鎬のやや高くした造込も、信房氏が目指した大和伝の結果なのでしょうか。ただ、匂口は備前伝の逆丁子を狙ったものでしょう。
本刀は八代・信房(高橋 昇氏)の作刀。先代である七代・信房から備前伝を修得し、その後大和伝の柾目肌を追求したとされています。本刀はそのプロセスのどの辺りに位置する作品なのでしょうか。作品を見る上ではちょっと気になる事柄です。気になると言えば、本刀の銘ですが「法」の字から下へ伸びる波模様は何を表現したものなのでしょう。個性的な造形の銘を切る刀工はそれなりにいますが、信房氏の銘もまた独特の表現。ただ、この波模様がない銘もあり、使い分けも知りたいところです。そして七代と八代の区別もままならず(当店の見識の低さを露呈している始末)現在の九代・信房氏に尋ねたいところですが、恐れ多くてまだ未確認です。本刀に関しては中心の錆状態と銘振から推察したあやふやな結論です、あしからず。

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