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太刀・刀

濃州関兼高

商品番号 :B-050-I-138

江戸初期 美濃 保存刀剣 白鞘・拵付

売約済

刃長:60.7 cm 反り:0.70 cm 重ね:0.77 cm

体配
本造、庵棟、中心は生で孔一つ。鑢目は鷹羽。
地肌
鎺元辺は板目、その他は総体に小板目を詰んで少し流れ心。鎬地は柾目心。
刃文
小沸出来でやや締り心の中直刃が弯気味に乱れる。指裏の物打辺にやや大きめな箱風の五の目が一つだけあり、そこに砂流の所作がかかる。総体に足の短い小足が盛んに働き、刃中小沸が微塵につく。
鋩子
直調に入り先は掃きかけて、小丸にやや浅く返る。
備考
鎺元から板目肌が際立ち、それより上は小板目がよく詰んで地肌の見処がよく判る作で、総体に精美な肌に。匂口は締り心の中直刃が基調ですが小足がよく入り、まるでふっくらとした刃文のように見えます。澄んだ肌のせいか刃縁が冴えて、刃文がより際立つようです。よして何よりユニークなのが、指裏の物打にある箱風の乱。大きめの五の目を二つ連ねたように見え、そこにだけ砂流がかかっています。この所作、なぜか一個所だけです。直調のラインに突如小高い丘が現われます。偶然ではないですよね。2尺という長さを考えれば、注文主の要望による誂え物と考えるのが自然です。この形状の意味するところは全くの謎ですが、ちょっとした遊び心で入れた刃文とは思えません。
本刀の作者である兼高は濃州とある通り、美濃の三阿弥派の代表工。おそらく銘振、鑢目から陸奥守兼高だと思われますが、兄である武蔵守兼高かもしれません(これは信じないでください。あくまで可能性の話で・・・)。鷹羽の鑢目も珍しい方ですが、銘の『濃』の形もまた独特です。現代のデザイン性を強く感じます。もしかするとこの兼高は、ちょっと面白い、遊び心やユーモアにあふれた刀工だったのかもしれません。

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