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大野義光

於越後国義光彫同作之 平成二十七年春吉日

商品番号 :B-057-O-111

現代 長船町史・刀剣編所載「与三左衛門尉祐定」写 白鞘

売約済

刃長:68.2 cm 反り:2.50 cm 重ね:0.83 cm

体配
本造、庵棟、中心は生で孔一つ。鑢目は勝手下がり。表は棒樋に添樋、下に阿弥陀如来の梵字。裏は棒樋に添樋、下に不動明王の梵字を彫る。
地肌
小板目よく詰み地沸がついて極めて精美な肌となる。
刃文
焼き幅広く、表裏共に鎺元から約6寸ほど大き目の腰の開いた五の目乱に丁子の足・葉が伸びる、その上は弯調にわずかに五の目を交え小足・葉が頻りに所作する。総体に匂口は締り心で小沸がよくつく。
鋩子
直調に掃掛けて小丸が尋常に返る。
備考
長船町史の刀剣編図録264ページに掲載されている「備前国住長舩与三左衛門尉祐定 為竹田彦兵衛尉作之 大永五年二月吉日」を写した本刀。細部まで忠実に再現するとともに、大野刀匠ならではの匂口をもって本歌に迫る出来を実現しています。迫るというのは大野刀匠に失礼かもしれません。大野刀匠版・与三左衛門の刀と言って良いでしょう。まあ、見事です。地肌の美しさは言うまでもなく精美に、そこへ匂口に働く柔らかく深い小足・丁子の足・葉が構成する刃文は、「う〜ん」と感嘆の息が思わず出てしまいます。
本歌がもしここにあれば、瓜二つではなく本歌の生姿を実感できることでしょう。そして出来立ての与三左衛門尉の力強く重厚な真の姿に驚かれるかもしれません。大野刀匠は写し物を作る際、本歌の姿よりほんの僅か(約1分/2〜3ミリ)大きく作ります。本歌の刀の打卸を再現してるわけで、新造するのに研減った姿を写しては意味がありません。江戸期の刀工が古刀の研減った姿をそのまま写したら、現在の姿はどう見えるでしょう・・・おそらくペラペラの貧弱な姿に・・・。なので大野刀匠は、本歌の生姿を復元することにこだわると言っておられます。本刀に限らず大野刀匠の代名詞でもある山鳥毛写も、やはり一回り大きく作られているのです。
ちなみに本刀は、厳密には為打?です。注文主は当店。当店が大野刀匠に作刀をお願いした刀なのです。そして4年間待ちました。発注して4年、手元に届いて経眼した時の声が上記の「う〜ん、という感嘆の息」なのです・・・満足です。本刀を皆さんにご紹介できることを嬉しく思うばかりです。

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