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太刀・刀 “うもれし”一振

藤嶋友重

商品番号 :B-063-I-164

江戸前期 加賀 特別貴重刀剣 白鞘

売約済

刃長:63.2 cm 反り:0.9 cm 重ね:0.83 cm

体配
本造、庵棟、中心は生で孔は二つ、鑢目は切。
地肌
板目肌に小板目交じり、鎺元は少し肌立ち地形風に見える。刃寄り、鎬地、棟寄りは流れて柾目になる。
刃文
匂出来の小五の目乱にやや広い五の目乱がランダムに交じり、丁子風の足が絡む。物打あたりに肌目に沿った金筋・砂流が出る。焼幅は元はやや狭く、中より上は尋常に焼く。
鋩子
直状に入り中丸になってやや浅く返る。
備考
やや締まり心の五の目の匂口が小刻みに、そして緩く乱れる刃文。意外に変化に富んでおり好印象です(見る人によっては印象はバラバラですので、あくまで当店の印象です)。焼頭も尖刃等のきぶい所作も無くはありませんが全体に丸みを帯びて厳つく感じを受けません。ただ、焼幅が元々そんなに広くはなく、谷から出る足が刃先まで抜ける箇所があります。そして物打あたりには柾目心の肌目に沿った所作が出ています。指表は金筋風、指裏は簾刄のような砂流風で、これをどう評価するのか考えものです。面白い所作だという見方もあれば、焼き損じという指摘もあるでしょう。刃文を足の入った五の目乱とすれば、この個所、特に指裏の簾刄風の砂流は、柾目が強すぎて”出てしまった“と考えた方が自然かと思われます。 造は身幅も広めで重ねも厚く、どちらかといえばガッシリとした強い姿。藤嶋の系統は室町初期からあるようですが、反少なく元先に差があり、鋩子も乱れ込んでいないことから、江戸前期の寛文・延宝頃の姿、体配の通り江戸前期の藤嶋友重です。本刀を通して見ると、越前・加賀の刀はバラエティに富んだ作が多いと実感させられます。大和系やら美濃系やら色んな国からやってきて、この地で栄えたわけで、ある意味、流派のるつぼとも言えなくはなく、多様な刃文と地肌が混在するのが特徴であるとも解釈できます。本刀もまた、その類の一振だと考えれば、細いかい所作に口を出す必要はないのかもしれませんね。

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