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大野義光

太刀

於備前国義光作之 平成十七年六月吉日

商品番号 :B-065-O-087

現代 「大典太光世」写 白鞘

売約済

刃長:67.2 cm 反り:2.65 cm 重ね:0.74 cm

体配
本造、丸棟、中心は生で孔二つ。鑢目は勝手下。表裏に棒樋を掻流、指表に太い腰樋を添える。
地肌
板目に小板目が交じる。所々杢目が交じり地景模様となり、移が淡く現れる。
刃文
焼幅尋常に刃縁が冴え、やや細かい小沸出来の細直刃に小足が頻りに所作し、古風な風合いとなる。
鋩子
直に入り掃掛けて、浅く返る。
備考
大野刀匠にしては珍しく、備前伝ではなく山城伝に挑んだ太刀で、筑後は光世の国宝・名物「大典太」の写です。鎌倉中期の太刀姿に比べ一風変わっていて、身幅の広い独特の姿をした豪壮な太刀です。身幅が広いので寸詰の小切先(猪首)に見えますが、そこは打卸の姿にこだわる大野刀匠、中切先ともいえる造込です。そして、大典太というより光代の特徴とされる幅の広い棒樋が目立ちます。当店は本歌を見たことはありませんが、各資料等で紹介されている法量と比べても姿・法量はほとんど同じで、ほんの僅か大きめでしょうか(これは大野刀匠のやり口で、当時の真の姿を再現することを目指して経年の耗りを考慮した造込です)。
見所は、ほつれ気味の細直刃とそれに所作する小足・・・この様には大いに惹きつけられます。本歌もこんな風な小足が働いているのでしょうね。特に匂口のほつれがたまりません。そこに小足がランダムに出ている様が、見る者を古き時代へと誘います。淡い移も本歌同様に現れ、どこまで本歌に迫るつもりなのか、大野刀匠の技とこだわりに敬服です。ちなみに本歌は国宝ですが、この際、本太刀を代わりのレプリカとして展示しては・・・いえ、それでは大野刀匠に失礼極まりますね。レプリカではなく、「大典太義光」として本歌の代わりにその魅力を伝える役割を持たせたい一振です。

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