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太刀・刀

近江大掾藤原行光 播磨大掾藤原清光 延宝四年八月日

商品番号 : B-071-I-200

江戸前期 越中 特別保存刀剣 白鞘・拵付

売約済

刃長:61.1 cm 反り:1.6 cm 重ね:0.72 cm

体配
本造、庵棟、中心は生で孔は二つ、鑢目は切。表裏に棒樋を鎺元上で丸留。
地肌
元の方は板目、上は小板目交じり、よく詰んで刃寄り鎬地は柾目に流れる。
刃文
直調に入りゆったりとした弯乱。途中から焼幅が広くなり、小沸・沸出来の匂口はほつれて深く、小足が頻りに所作する。
鋩子
直状に入り中丸となってやや深く返る。
備考
姿は寛文新刀ですが、少し反があり、総体に優しい刀姿をしています。刃文は京焼出風に直調ではじまり、大きな弯になって途中小刻みな弯という変化を見せます。見所は深い匂口がほつれて幅に強弱があるところ・・・よく見ればねずみ足風の小足が頻りに出ています。意外や働きが豊かです。この小足、焼出風の元あたりにはなく、弯はじめたあたりから現れているのです。古風というのか、この小足の雰囲気、嫌いではありません(当然、好きではない人もいるのでしょうね)。弯自体は優雅な稜線ではなく、どちらかといえばぎこちないというか垢抜けないというか、意図的なものを感じません。弯の前半は表裏逆の曲がりを見せているほどです。だからと言って北陸ものだからとか、美濃系統だからなどと疎まないでください。これはこれでアリ、よく言えば素朴さが伝わる一振なのです。
本刀、越中の近江大掾藤原行光と播磨大掾藤原清光の合作刀です。年紀を刻るためか、両者の銘を指表に連なって刻っています。字体を見る限り、どちらか一方が刻ったように思えます。果たして、メインの作者は行光か清光か? 行光銘が最初に刻ってあるということは行光が主体で、清光がフォロー役でしょうか。行光は清光門と銘鑑に出ており、それが正しいならば、門下の行光を清光が補佐したという構図で微笑ましくもあります。まさか、行光の独り立ちした際の記念の一振?(ないですよね・・・そうだったら良いのですが) 他には行光と清光は同人とする説もありますが、この合作刀がそれを否定していることになります。そういう意味では貴重な参考資料といえる刀です。貴重という点では行光の作が少ないことも当てはまりますか・・・

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