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太刀・刀 “うもれし”一振

播磨大掾藤原重高 越前住

商品番号 : B-080-U-211

江戸前期 越前 保存刀剣 柴田鑑定 白鞘

売約済

刃長:61.8 cm 反:0.9 cm 元幅:3.02 cm 先幅:1.85 cm 重ね:0.67 cm 目釘孔:2つ

体配
造、庵棟、生中心、鑢目はやや浅い勝手下。
地肌
小板目に板目交じりで総体に柾目心に流れて少し肌立つ。刃寄り、鎬地・棟寄りは柾目になる。
刃文
焼幅尋常に中直刃に小乱が交じり、表裏の数カ所に喰違刃が交じる。匂口は沸本位でふっくらと深い。
鋩子
直調に入って短く折り返し、浅く返る。

元先に差があり反少なく寛文新刀そのままの姿ですが、思ったより元先の差が大きく細身のスマートな刀に見えます。刀を振るではなく突くことに主眼をおいた造でしょうか。この辺は剣術をやってらっしゃる方にお聞きしたいものです。焼幅の流れからすれば、決して刃先が減ってこの姿になったわけではなさそうです。おのずと切先も小さくまとまり、可愛らしくもあります。重ねもやや薄め、刃長も2尺1寸に満たない長さのせいか、手にするととても軽快で片手でも振れそうな感触・・・まさか、大脇差として使ったのでしょうか・・・有り得なくもありません。法量に関してはとりあえず、線の細いスマートな一振ということでご納得を。

そんな姿とは裏腹に刃文は複雑です。単純に中直刃かと思いきや、小乱が交じって刃先側に深く不揃いな小沸がもわ〜と沸付きます。その所作を基本として、指表は元の方と中程そして物打から上に、指裏は物打から上に喰違刃が連続します。来派風なのか大和伝風なのか、当店には判別する知識はありませんが面白い所作が含まれています。地肌の鍛は強いて言えば柾目、であれば喰違刃などが成り行きで出てもおかしくはありません。越前の重高ですからね、意図してやったのか自然と出たのかは推し量れません(当店としては意図した方に手を挙げたいのですが・・・)。
本刀には一個所、疵があります。指裏側の中程の棟に数ミリぐらいの疵、鍛割れではなく打疵のようにも見えます。気になる方は仕方ありませんが、鑑賞にはさほど影響ない程度だと思われます(当店の勝手な判断であることをご了解ください)。作者の重高ですが、年紀がないので代別は推測になります。寛文新刀の姿と播磨大掾と刻っていることから二代・重高とみています。

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