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太刀・刀

河内守國助(初代)

商品番号 : B-082-189

江戸初期 摂津 特別保存刀剣 白鞘

3,900,000円

刃長:76.1 cm 反:1.1 cm 元幅:3.05 cm 先幅:2.15 cm 重ね:0.80 cm 目釘孔:1つ

体配
本造、庵棟、生中心、鑢目は筋違。
地肌
小板目肌良く詰んで総体に精美な肌となる。鎬地は棟寄りは柾目に流れる。
刃文
焼幅やや広く、小沸出来で腰の浅い弯乱の頭に五の目が交じり、指表は途中が箱乱風になる。匂口は締まり心で柔らかく、小足が頻りに所作し葉・飛焼がある。刃縁は締って冴え、刃中に地沸が厚く付く。
鋩子
直調に入って表は二段風に乱れる、裏は僅かに弯れて尖り気味にやや深く返る。

刃文全体の調子は腰の浅い弯を繰り返すパターンなのですが、表裏で異なる形状・所作をみせる本刀。やはり見せる刀である新刀特伝と見るべき刀なのか、あるいは戦う古刀の刃文と見るべきなのか迷う一振です。指表は京焼出にはじまり、弯れて中程に入ると箱乱風に乱れて飛焼や二重刃風の所作もあり、その先は小さく弯れて小乱風に切先に続きます。切先もその流れなのか乱れ気味に。指裏は京焼出から腰の浅い弯乱が規則性を持って7つほど連続し、さも統制が取れた印象の刃文です。各弯の頭は五の目丁子風、そして切先は僅かに弯気味。一見、表裏異なる刃文ですが、どちらも大きな流れは連続した弯であり、そして小足が頻りに働くことでしょうか。

この刃文を普通に見れば、指裏が狙った刃文で指表はうまくいかなかった刃文と見てしまいます。しかし、この刃文は児手柏(このてがしわ)という攻めの手法。意図的に表裏の刃文を異なったものにした遣り口です。國助にしては珍しい刃文であり、刀工として生き残りをかけての斬新で難しい刃文にあえて挑戦した姿勢が見てとれます。しかし刃文が異なるとはいえ、どちらも国広から受け継いだ山城伝風の刃文。表側は、かなり乱れてほつれた所作に加え、二重刃風の個所もあることから、この山城伝風の働きを強く出した・・・と推測したいところです。それに叢沸もこぼれた荒沸もなく、刃縁が冴えた見事な刃文です。それまでの戦う刀から見せる刀へと変遷する時流を、國助なりに捉えた刀なのかもしれません。
姿は反浅め、元先にやや差があり身幅は少し細め。刃長が2尺5寸と長いので、スマートな印象ですが、重ねが厚く剛さがあります。そして松葉角も十分に残り、かなり健全な状態です。姿自体は同時期の親国貞の刀と非常に似ています。当たり前ですよね、同門で時同じくして摂津で作刀した二人は技量も甲乙つけがたい大坂新刀の祖です。ただ、当店の感想ですが、國助の方が国広の作域に近い気がします。いや、正確には國俦に近いという方が正しいのかもしれません。親国貞はもう少し無邪気な作が多い感じが・・・。

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