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太刀・刀

於大坂和泉守國貞作之

商品番号 : B-095-244

江戸初期 摂津 特別保存刀剣 白鞘

売約済

刃長:75.8 cm 反:1.97 cm 元幅:3.08 cm 先幅:2.02 cm 重ね:0.72 cm 目釘孔:1つ

体配
本造、庵棟、生中心、鑢目は筋違。
地肌
小板目肌良く詰んで澄んだ肌となり精美。鎬地もよく詰んで柾目に流れる。
刃文
直調の焼出から小五の目乱が先まで小模様に続く。匂口は沸本位でやや締り心、小沸が刃先へ深く所作し、途中ほつれて砂流風雨になる。飛焼があり地移も出る。
鋩子
直調に入り先が掃き掛けて、やや深く返る。
於大坂和泉守國貞作之

二尺五寸はある親国貞の長寸の一振。代わりに身幅は刃長に比してやや細め、持った感じはそれほど重さを感じずスマートな一振といった印象です。ただ、親国貞にしては反が深い方で、寛文新刀というより反がある寛永頃の姿をしています。地肌は、小板目が詰んで綺麗です。無地風と言えなくもなく、柾目心に流れた鎬地の肌合いも精美です。
そこへ小乱風の締り心の刃文が焼かれていますが、光にかざして匂口を見ると全く別の光景が浮かび上がります。直調の焼出から小五の目が小模様に脈動しながら切先に向かって続きます。絡んだ小沸は深く刃先へ小足となって延び、特に指裏はまるで丁子の足のごとく所作し、小丁子乱とした方が正解かもしれません。これで刃縁が冴え渡っているのですから、思わず、上手いと言いたくもなる一振です。

見所はこれだけではありません。鎺元から8寸ほど上あたりに、匂口がほつれて二重刃風といって良いのかわかりませんが、入り乱れて半島状、島状の飛焼を伴った個所はちょっと表現に困る所作で、それも表裏に現れています。刃文全体が鏡写しにはならない親国貞にしては意外ですが、それでも刃文総体の様は表裏揃わず、例えようのない刃文形状は親国貞らしいと言えるのかもしれません。それ以外にも飛焼の前身ともいえる地移が物打あたりから上と棟に現れているほか、指裏には金筋のような沸筋が斜めに出ている個所もあり、結構面白い所作がそちこちに隠されているようで、働きが好きな方には興味の沸く一振かもしれません。
何とも捉えどころのない刀に思えますが、それだけ面白さが詰まった一振であり、親国貞の魅力でもあると言えます。本刀を鑑定会に出せば、皆さんはどう極めるのか見てみたくなりますね。意地悪のごとく袋小路に嵌まる? いや、意外に「どこにも当てはまらななら親国貞か・・・」と、すんなり言い当てられてしまうかもしれませんね。ただし、出来に関しては迷うことなく、褒めていただけることは確信しています。

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