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太刀・刀

三州住藤原勝重 錬鋼作之

商品番号 : B-097-250

江戸中期 三河 特別保存刀剣 白鞘

売約済

刃長:71.8 cm 反:2.1 cm 元幅:3.28 cm 先幅:2.28 cm 重ね:0.85 cm 目釘孔:1つ

体配
本造、丸棟、生中心、鑢目は鷹羽。表裏に棒樋を鎺元上で丸留。
地肌
小板目肌良く詰んで総体に流れ心になり先の方は柾目になる。鎬地は柾目。地景が現れる。
刃文
焼頭が丸味を帯びた五の目に丁子乱。匂口は小沸出来でやや締り心、刃中は沸づき肌目に沿って砂流がかかり、匂崩が頻りに所作する。
鋩子
表は乱込んで中丸、裏は大きめの地蔵風になり先は中丸となってやや浅く返る。
三州住藤原勝重 錬鋼作之

焼幅が広く、かなり賑やかな景色を見せる五の目丁子乱。総体に焼頭が丸味を帯び、兼房乱風に展開します。途中の真ん中より少し下には箱風の乱が表裏共にあり、加えて焼頭が連なって矢筈風に見える形状も所々にランダムに現れ、特徴ある五の目丁子乱となって見る側を惑わします。それだけ見所が多く楽しめるということですが・・・上の方に行くにつれ、匂崩が頻りに所作し少し込み入った印象もありますが、これはこれで備前の匂崩に似ており、一つの刃文に的を絞らせません。さらにです、そこへ肌目に沿った砂流が刃文全体にフィルターのごとくかかるのですからお手上げです。とはいえ強いて作風を絞るとしたら、美濃風とするのが良いのかもしれません。ま、これは当店の感想ですが、皆さんの見立ては如何に・・・。

姿は反やや強く元先に差があり切先は延び心。ちょうど寛文頃と元禄頃の特徴を足して割ったような刀姿をしています。やや反が深い分古風に見え、末備前のような印象もあります。他に、珍しいのかどうかわかりませんが、本刀の棟の形状は丸棟です。中心の棟も丸棟で続いており、平肉もついて握った感じはフックラとした中心。刀身も平肉がついて切先の残り具合といい、健全度は申し分ない状態です。 作者は三河で作刀したとされる藤原勝重。本刀の姿から元禄頃の二代・勝重でしょう。錬鋼作之という添銘からも二代とみて良いと思います。勝重の元をたどれば美濃系にあり、作風もその流れを引き継いでいるのでしょう、本刀がそれを体現しているようです。中心の鑢目も同じで丁寧に施された鷹羽もそれを物語っており、まるで新々刀のような錆状態は最良の状態を保っています。

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