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太刀・刀

和泉守藤原國貞

商品番号 : B-099-247

江戸初期 摂津 特別保存刀剣 白鞘(薫山鞘書)

売約済

刃長:71.8 cm 反:1.0 cm 元幅:3.09 cm 先幅:2.09 cm 重ね:0.62 cm 目釘孔:1つ

体配
本造、庵棟、生中心、鑢目は筋違。
地肌
板目肌に杢目交じり良く詰んで極めて精美な肌となり、地景が明瞭に浮き出る。鎬地は柾目に流れる。
刃文
焼幅やや広く、小沸出来の中直刃。匂口はふっくらと、刃先側はほつれ気味になり微塵な小足が所作し、刃中沸づき、刃縁は明るく冴える。
鋩子
中直刃がそのまま入り先が掃き掛けて、倒れ気味に深く返る。
和泉守藤原國貞

ある意味、打ちのめされる一振・・・反則とも言える親国貞の刀の紹介です。こんなに清楚で麗しき女性のごとき刀を作るとは親国貞にあらずと言いたくもなります。まあ、綺麗です。特に地肌の様相は必見に値します。板目に杢目が交じった整った肌合いが、元から先までまるで高級なキャンバスのように乱れることなく拡がります。明瞭に浮き出た地景は、澄んだ文様となって褒めることしかできません(ここまで整えられるのかと思える地景の文様)。参りました。
その見事としかいえない地金に焼いたのが、これまた中直刃、真面目すぎる中直刃です。刃縁は冴え、一切破綻のないふっくらとした匂口、やりますね〜! 直刃なので動きがないのかと思えば、そんなことはありません。肌目に沿ってほつれ気味に小沸が絡み、グラデーションのように刃中に広がった中に、微塵な小足がランダムに所作します。直刃好きの愛好家は、この小足に魅了されるのでしょうね・・・ちょこちょこと、ちりちりと、控えめな沸の働きは上品な遊び心に感じるのかもしれません。

こんな刀を作っていたとは、親国貞の技量の深さに驚かされます。いつもの親国貞とは違う、どこまでも想像を裏切る造込・・・大概の人はまさか親国貞だとは思うわないでしょう、そんな一振です。実際、どこか捉えどころのない所作がある刃文ばかり作る印象のある親国貞、スマートで洗練された本刀のような作があるとは・・・この作は自らトライしたものなのか、それとも要望による注文打なのか、どちらなのでしょう?
因みに、本刀を重要審査に出したらどういう結果になるんでしょう。ちょっと興味と期待が湧いてくる作ですが・・・ただ、刃文は直刃ですから期待する方が無理かもしれません(古刀の直刃と違って新刀の直刃となると期待も薄くなると感じているのは当店だけかもしれませんが)。万が一、指定されてしまったら手が届きにくくなるので、当店は自粛することにします・・・

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