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刀
防州岩国青龍子盛俊造之 嘉永七年甲寅二月日
商品番号 : B-101-256
江戸後期 周防 保存刀剣 白鞘
750,000円
刃長:68.2 cm 反:1.8 cm 元幅:3.09 cm 先幅:2.02 cm 重ね:0.68 cm 目釘孔:2つ
- 体配
- 本造、庵棟、生中心、鑢目は化粧に筋違。
- 地肌
- 小板目肌良く詰み、細かく整った精美な肌となり無地風の肌合いになる。鎬地はよく詰んだ柾目。
- 刃文
- 焼幅広く、大きく緩やかな弯乱。匂口は小沸本位でふっくらとし、小足に小丁子の足が交じり、砂流風の所作が出る。
- 鋩子
- 直状に入り小丸となって、尋常に返る。
緩やかな三つの弧で構成された弯乱の刃文。弯の頭は丸味を帯びた丘のようですが、谷の形状はやや平ったい弧になり窪んだ平地。弯のラインとしては小刻みに乱れた個所が所々にあって、縦の目線からすれば非対称的な刃文となっています。少し厳つく弯に見えなくもないのですが、その要因はどうやら匂口の足の所作にあるようです。本刀の匂口は単純な直調の帯ではなく、微細な小足がほつれ気味に僅かな強弱を伴って働いています。加えてそれよりも明瞭で長い小丁子の小足がランダムに現れ、刃文の景色に変化を与え、さらに谷と谷の間には、地肌に絡んでうっすらと砂流状の小沸も見えています。つまり、小足・小丁子の足を伴った中直刃がブレて弧を描いている、そんな弯刃です。地肌は細かく詰んで精美で、刃縁もすっきりと冴えて好印象、上出来です。
姿は何となく寛文新刀のようですが、やや反があり身幅も狭め、重ねも薄い方で見た目には優しい感じがします。誰かに似ている姿だと思えば、長運斎綱俊の刀姿そっくり。それもそのはず、本刀の作者は綱俊門下の青龍軒盛俊。似るわけですね。
盛俊は最初、綱俊に学びますが、後に固山宗次の門下に入ります。本刀の銘は青龍子盛俊、盛俊の初期銘で綱俊門下時代の作となります。まあ、綱俊も宗次も備前伝ですから盛俊もまた備前伝の作域にあるわけで、本刀の匂口にもそれが現れるのは必然です。ただ、本刀のふっくらとした匂口は綱俊のやや締った匂口とは少し異なっています。これは刃文の形状によるものなのか、盛俊の特徴なのか、強いて言えば末備前匂口に似てなくもなく・・・備前伝なら当たり前でしょうか? ん〜、細かく考えるのはやめましょう。