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太刀・刀

筑前住源信国平四郎吉政

商品番号 : B-104-255

江戸最初期 筑前 保存刀剣 白鞘

450,000円

刃長:70.2 cm 反:1.4 cm 元幅:2.83 cm 先幅:1.83 cm 重ね:0.69 cm 目釘孔:2つ

体配
本造、庵棟、磨上中心、鑢目は切。
地肌
小板目に板目が交じり、先の方と鎬地は柾心に流れる。
刃文
焼幅頃合いで直調の高低差のあまりない弯乱に、五の目の小足が所作する。匂口は締り心の匂出来、刃中が沸付き刃縁は冴える。
鋩子
直調に入り少し乱れ気味になり、先が尖って浅く返る。
筑前住源信国平四郎吉政

すらーっと細身のやさしい姿。もう少し反があったなら鎌倉後期の太刀を思わせます。(現在皆さんが目にしている鎌倉期の太刀姿は、研減った果ての姿です。) でも、本刀は重も薄い造ですがペラペラではありません。中心の反もちょっと伏せられていますが、ほんのわずか。生時からこの姿です。来か粟田口に倣ったものか、それとも古備前を狙ったものなのか、当店には手の余る推測ですが、あえて例えるなら古備前の写としておきましょう。何故って、作者は信国平四郎吉政だからです・・・通説を信じるわけではありませんが、山城信国の十二代目にあたる父・吉貞の命に背き備前伝を習得したとされています・・・という全弱な根拠を盾に、古備前に倣った作ではないかと安易に想像したわけです。まあ、本刀が作られた時代が寛永頃ということもあり、細身のスマートな姿はちょっと奇異な印象を受けたまでのことで、注文打とすれば珍しいことでもないと思います。

実は本刀、磨上がされています。約二寸五分の磨上。現在の刃長は二尺三寸強ですから、元は二尺六寸あったことになります。意外と長いですね。こりゃ〜出来たての頃は優雅な太刀姿に見えたことでしょう。磨上られた中心には、刃文の名残が刃方にかすかに残っています。こうでなくちゃーいけません。中心をいじったら、その跡はちゃんと残るものです。(みなさん、磨上とされながら、生中心のように表裏きれいな作をお持ちではないでしょうね。大磨上無銘だから安心なんて思っていませんか。本刀は約三寸近く磨上ても、銘は全部残っています・・・)
地肌は小板目ですが、総体に流れ心でよく詰んで澄んで見えます、ただ、小さな鍛疵が2〜3個所あります。割れて黒く見えているわけではありませんので、鑑賞には問題ありませんがご報告まで。刃文は直調の弯で、焼幅が頃合いなので古風に見えます。そこに五の目丁子風の小足が結構激しく所作し、直調の小五の目丁子としても良いぐらい動きがあります。中程から物打あたりは働きが薄く感じられますが、総体に匂口は締って末古刀のような感じに。新刀といっても江戸になったばかり、末古刀の匂口と変わりはないのでしょう。なかなかの風合いです。

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