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太刀・刀

肥前國住人伊豫掾源宗次

商品番号 : B-118-292

江戸初期 肥前 保存刀剣 白鞘・拵付

700,000円

刃長:63.2 cm 反:0.7 cm 重ね:0.68 cm 元幅:2.82 cm 先幅:1.90 cm 重さ:584 g 目釘孔:3つ(内2つ埋)

体配
本造、庵棟、生中心、鑢目は切。
地肌
小板目に板目、杢目も交じり、良く詰んで精美な肌となって、地景が現れる。鎬地は柾目になる。
刃文
焼幅やや狭く、小沸出来の直調の小乱で途中に五の目が交じる。匂口はふっくらとし小足が頻りに所作し駆け出し気味になる所もある。
鋩子
やや崩れて入り細く尖って深く返る。
肥前國住人伊豫掾源宗次

本当の地肌、綺麗です。小板目を基調に板目が交じり、杢目もあります。下の方は小板目、上に行くに従って板目と杢目が目立つような流れ。地景として現れるのですが、肌立った所は少しもなく良く詰んだ精美な肌合いは潤いのある肌と言うのでしょうか、魅力的です。体配は寛文新刀の姿をしていて、反少なく元先に差がある中切先。細身ですーっと延びた姿は、持ち前の澄んで潤いのある地肌と相俟って華奢な女性的イメージが重なります。でもどこか怪しさというか妖艶な印象も漂わせています。その魅惑的でもある要因はどこから・・・
やはり刃文にあるようです。ちょっと乱れた直調の刃文ですが、指表は真ん中あたりに連続した五の目、それより上は小乱風に。指裏は、やはり真ん中あたりに五の目が二つ離れてあり、その上は小乱風に展開します。この表裏の形状は似ているようで似ていないのか・・・総体の出方は似ています。焼幅も物打より上が狭くなっています。表裏とも同じ景色にしたつもりが五の目の所作が異なってしまったのかもしれません。でも、指表は連続の五の目で、裏は離れた単独の五の目、意図的な所作を感じます。さらに匂口から出ている小足は、刃先へ駆け出しそうに延びています。控えめで疎らに出ているのも、この刃文に合っているというか、程よい色気にも思えます。こうした捉えどころのない無秩序的でアンバランスさが、本刀の見所といってもよいでしょう。答えを見出そうとして見れば見るほど深みにはまる一振なのかもしれませんね。

匂口もよく見る肥前刀とは異なり、帯状の匂口には見えません。ただ、これは五の目を無視して考えれば帯状と言えなくもありません。よく、作者の伊豫掾源宗次は他の肥前刀工に較べちょっと異質な存在と言われています。刃文は志津風だ相州風だとか言われて激しい匂口を焼くとか言われていますが、そんなことを言ったら忠国などの脇肥前だってみな独特な作刀をしています。宗次もまた脇肥前。違っていて当たり前と思えばいいわけで、銘だって本刀は指表に刻っていて、中心の形状もちょっと変わっています。変わってるといえば、切先前後の刃文の形状が独特で、直調だった刃文が横手筋の少し下から三ツ角あたりまで急に登って、そこから斜め上に続き、尖った形状になって返るのです。二段構えになったような形状は、最初の曲がる個所に横手が来ても良さそうなほど。そうすれば大切先に変身することになりますが、まさか本作を大切先と勘違いして土置をしたわけではないとは思いますが・・・結構不思議な切先の所作です。この例を見ても、肥前刀というカテゴリの中で比較しすぎるのも、宗次を評する上では重要ではないように思えます。まあ、それだけ異質な魅力が詰まった本刀・・・優しい端正な姿に隠された美しくも怪しいその毒気に、当ってみたいと思っていただければ嬉しいのですが・・・

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