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脇指

脇指

和泉守藤原国貞

商品番号 :C-020-124

江戸初期 摂津 保存刀剣 白鞘

売約済

刃長:46.5 cm 反り:1.20 cm 重ね:0.76 cm

体配
本造、庵棟、中心は生で孔一つ。鑢目は筋違。
地肌
小板目肌よく詰み精美、指表中程に板目が交じる。鎬地の棟寄りは柾心に流れる。
刃文
焼幅広く、直調の弯乱に腰の開いた大五の目乱が交じり、小さな飛焼が出る。小沸出来の深い匂口が刃先へ拡がり小沸厚くつき、小足が盛んに入る。
鋩子
表は小丸が尖り気味に、裏は火焔風に伸びて深く返る。
備考
親国貞こと和泉守国貞の脇指です。本阿弥光遜が「日本刀の掟と特徴」の中で、『新刀姿で先細り気味になり優し味がある。〜』と評していますが、本刀はそれとは真逆の姿をしています。身幅は広く、元先に差がなく反りも深い。重ねもたっぷりで、慶長・元和や寛文・延宝といった江戸前期の姿に似ず、どちらかといえば元禄頃の姿に近い体配をしています。
いつも親国貞を見て思うのですが、身幅が広め、重ねは厚く、見た目以上にガッシリとした剛い造込の作が多いように感じられます(そう感じるのは私だけでしょうか)。それに刃文の作域の幅も広く思え、本刀もそうですが、乱刃にしても決まったパターンが定かでなく、一振一振バラエティーに富んでおり、新たな親国貞を目にする度に混乱します。もう、誰の作か見当がつかない作に当たった時には、逆に親国貞だろうと思ってしまう程です。それでも特徴はあるわけで、強いて言えば、もわ〜っと拡がる深い匂口、ランダムな乱刃、そして表裏異なる刃文、精美な小板目の地肌・・・余りないと思ったら結構あるものですね・・・本刀もその特徴を地でいく出来で見事な作です。少し面白いのは焼出で、焼元からいきなり焼幅が広くなっている点です。広い(高い)京焼出とでも言えるかもしれません。あとは鋩子で、特に指裏の火焔風に伸びた形は、国貞の中でも珍しい所作でしょう。やっぱり“型にはまらない”という特徴が顕われた一例なのでしょう。う〜ん、やっぱり親国は面白い!

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