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脇指

脇指

陸奥大掾三善長道

商品番号 :C-023-107

江戸前期 会津 白鞘

1,000,000円

刃長:53.9 cm 反り:1.2 cm 重ね:0.72 cm

体配
本造、庵棟、中心は生で孔は一つ、鑢目は切。
地肌
小板目肌を良く詰んで精美な肌となり地景が現れる。棟寄り刃寄りは柾心に流れる。
刃文
小沸出来のゆったりとした五の目乱。地肌に沿って葉・匂足が頻りに現れ、金筋、砂流が所作する。匂口は深く刃縁が冴え、刃中に小沸がよくつく。
鋩子
直に入り小丸となって、返は深い。
備考
ゆったりとした五の目が元先までランダムに続いて、そんなに激しい波紋には見えませんが、匂口を光にかざすとその豊かな働きが見えてきます。地肌の鍛に沿った金筋、砂流、沸筋が表裏のいたるところに所作しています。匂足も谷から柔らかく伸びて、見所の多さに驚きです。小沸出来の匂口は深く刃縁も冴えて、まるで同時代の越後包貞や照包の上作を見ているようです。少し異なるのは、匂口の深みの度合いと縦の所作(金筋・砂流)の頻度でしょうか。本刀の匂口が僅かに締り気味で、反面、働きは多いようです。ごく小さな飛焼風の所作もあるので、濤欄刄風に見えなくもなく(ちょっとゴリ押し)、まさに新刀特伝の波紋と言えるかもしれません。地肌も精美で地形が現れ、造込・鍛も楽しめます。当店の私見ですが、かなり上出来の作というのが感想です。
ちょっと褒め称えましたが会津の三善長道ですから当然といえば当然の評価で、本刀を経眼すれば会津虎徹と呼ばれる所以に納得です。最近はゲームに登場した11代兼定のおかげで会津の刀工にもちょっと光が当たり出したようですが、地元会津では兼定を差し置いて長道は絶対的な存在です。なぜ評価されるのか理由は他にもあるかもしれませんが、この出来の作を会津の地で供給していたことを思えば頷く他ありません。地元以外の方々にも、機会があればぜひ長道を見ていただき注目していただきたいと思います。

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