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脇指

脇指

兼房

商品番号 :C-026-148

江戸初期 美濃 保存刀剣 白鞘

380,000円

刃長:52.1 cm 反り:1.7 cm 重ね:0.68 cm

体配
本造、庵棟、中心は生で孔は一つ、鑢目は鷹羽。
地肌
柾心の板目に大板目が交じり、総体に流れて柾目となる。少し肌立ち柾目の地景となり、白け移が淡く出る。
刃文
匂本位の五の目尖と腰の開いた五の目が元先まで連続する。匂口は締り心に小沸が付き、柾の肌目に沿って金筋・砂流が頻りに所作する。
鋩子
直状に入り掃掛けとなり、浅目に返る。
備考
いわゆる三本杉風の尖刄に二つの腰の開いた五の目が1セットになった刃文が元先まで連続しています。変形版三本杉とでもいうのでしょうか。実際は山が5個で1組なので、変形五本杉五の目が正しいのかもしれません。二つ連続する腰の開いた五の目のせいか、典型的な関の三本杉ではなく五の目乱に見えるところが面白い刃文です。そこに金筋と砂流のオンパレード・・・これが激しく働きます。それも谷から刃先にかけてというより、五の目の匂口全体を帯状に掃くように所作します。まるで刷毛で描いた筋のように、鍛えた柾目の地肌(板目よりも柾目と言って良い肌目です)に沿って表れています。腰の開いた五の目の箇所にも鮮明に表れ、沸づいた箇所は備前の蟹の爪とは異なった五の目となり、一種独特のオリジナリティを感じる刃文となっているようです。
姿は反が深めで腰反りの片手打ち風、末古刀の面影を色濃く残していますが、鋩子の形状、肌の鍛から時代は元和から寛永頃の兼房と思われます。刃文だけ見れば大和物と備前物を足して二で割ったような作・・・そういえば、現代刀工の法華三郎氏の作に似ていなくもありません。(法華三郎氏の作は五の目、本作は尖刄で全然似てないじゃないか!と言われそうですが、この激しい金筋・砂流の働きはかなり近い感じが・・・店主の勝手な言い分です、批判は甘んじて受けます。)

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