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脇指

脇指

奥州会津住兼元

商品番号 :C-027-154

江戸後期・幕末 会津 保存刀剣 白鞘・拵付

600,000円

刃長:37.0 cm 反り:1.0 cm 重ね:0.73 cm

体配
本造、庵棟、中心は生で孔は一つ、鑢目は筋違。表裏に棒樋を丸留。
地肌
小板目良く詰み総体に柾目に流れる。
刃文
焼幅やや狭く、小沸出来の細直刃。匂口は締り心に、中程で微かに弯れる。鎺元の少し上に喰違い刄風の小沸がつき、中程より上は小沸が深くなる。
鋩子
直状に入り掃掛けて、表は一枚風、裏は小丸に浅く返る。
備考
中心の錆状態がとても良い本刀。新々刀、特に幕末から明治にかけての刀の中心は、本脇指のように、まだ鈍い輝きがうっすらと残る地鉄に斑らのような錆が広がっていくのが理想で、べた〜っと黒い錆が一様についているのは要注意です。おっと、脇道に逸れるところでした。本脇差の作者は会津兼元、会津十一代兼定(和泉守兼定)の初期銘です。兼定が若い頃の作ですから安政から文久頃に作られたと考えて良いでしょう(会津若松市史『会津、刀剣の美』から参考)。今も若い方に人気なのかはわかりませんが、十一代兼定の作だからといって特別に持ち上げたりはいたしません。見るがままの感想・評価をいたします。
姿は一尺三寸に満たない鎬造の小脇差風。兼定の中では初期銘も含め珍しい一振です。少し反りがあり身幅も狭く優しい感じに見えますが、重ねは意外に厚くしっかりとした造です。そして細直刃を焼いているのですが、実戦向きの刀が求められた幕末とはいえ、華やかな濤瀾刃や丁子の刀が多い中で、敢えて細直刃を焼いたということは注文打だった可能性が高いと推測しています(あくまで推測です)。その直刃の匂口は、鎺元から締まり心に始まり、ほつれ気味に小沸がついて小刻みに変化する所作がみどころです。粟田口か来かはわかりませんが、写しを狙ったものかもしれませんし、単純に実戦向きの匂口を趣くままに焼いたのかもしれません。どちらにせよ、短い刃長の割に微細な変化が楽しめる脇差です。
本脇差にはやはり幕末期の古い拵がついています。縁頭と鐺・鯉口は素銅の揃い金具ですが、鐔と栗型はおそらく合わせ物でしょう。目貫と小柄は別物です。一作物と言いたいところですが、残念ながら半合せ物(こんな表現はありでしょうか?)。それでもこの拵、刀身と一緒に作られた生の拵かも・・・本脇差の登録は昭和26年、しかも福島県で地元です。幕末期からの経年を考えれば可能性は否定できません。(半信半疑の話ですが・・・当店は信じる方に賭けています。)

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