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脇指

脇指

越前守源信吉

商品番号 : C-053-219

江戸前期 山城 特別保存刀剣 白鞘・拵付

売約済

刃長:57.9 cm 反:1.1 cm 元幅:3.27 cm 先幅:2.18 cm 重ね:0.75 cm 目釘孔:2つ

体配
本造、庵棟、生中心、鑢目はやや浅めの筋違。
地肌
板目肌に小板目が交じって杢目も交じり、所々地景が現れる。鎬地・棟寄りは柾目心に流れる。
刃文
高さにあまり差のない弯に五の目乱が交じる。沸出来の匂口は深く所作し、ほつれた幅広の小足に肌目に沿った金筋・砂流が頻りに現れる。
鋩子
直調に入り、掃き掛けて先は火炎風となり、返は弯れてやや深く戻る。

コンパクトに見えて二尺弱もある長脇指。身幅が思った以上にあるのがそう感じさせるのかもしれません。体配は寛文新刀そのもの。反少なめで元先にやや差がある中切先、鋩子の返が乱れてなく刃文も新刀特伝風です。これといった特徴がなさそうですが、刃文に絡んだ縦の所作が結構な激しさでアピールして来ます。沸出来の深い匂口は京焼出風に始まり、やや短めの弯と高低差のあまりない五の目乱が組み合わされた形状が表裏揃い心に焼かれています。その匂口に肌目に沿って縦の所作である金筋と砂流が仕切りに現れて、変化のある刃文の表情を見せてくれます。悪くありません。刃中もそうですが、平地にも鍛えに由来する地景となって出ています。いえ、地形というより肌目が見えているといったほうが良いのかもしれません。板目に杢目もあって賑やかですが、決して肌立っている訳ではなく、地肌は詰んだ美しさがあります。

本脇指をじっと眺めていると、国貞や国助を見ているようで、実際、砂流などの縦の所作があまりなければ見間違えるかもしれません。どちらかといえば、国助に近い感じがします(国貞に近いという見方もあります)。本脇指の作者は越前守源信吉(山城初代信濃守信吉の三男)。よく、直刃の上出来は真改に迫る程だといわれていますが、本脇指は乱刃です。直刃と比べられたら良いのですが、残念ながら当店にはありません。どのみち親国や信濃守信吉といった先代の技を受け継ぎながら、使える刀から見せる刀へと変化した中で努力をしたこの世代・・・真改に迫る出来というなら、この信吉も上手いということで・・・(ゴリ押し的な評価が本当かどうかは皆さんの目でご判断を。当店としては相当迫った出来だと思います。) 自信を持って言えるのは、金筋・砂流が顕著に現れた国助のようだということでしょうか。・・・どこかで交流があったりして?

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