刀剣本来の価値をお届けします。 HOME
脇指 “うもれし”一振

脇指

伊勢守吉國 寛文七年八月日

商品番号 : C-061-U-236

江戸前期 播磨 特別貴重刀剣 白鞘

250,000円

刃長:39.3 cm 反:0.6 cm 元幅:2.95 cm 先幅:2.20 cm 重ね:0.70 cm 目釘孔:1つ

体配
本造、庵棟、生中心、鑢目は筋違。
地肌
板目に小板目が交じり、よく詰み少し肌立ち心となる。鎬地は柾心に流れる。
刃文
焼幅広く小沸本位の五の目丁子。匂口はやや締り心に、刃中沸付き深く所作する。
鋩子
直調に入り、少し掃掛け気味にやや深く返って寄る。
伊勢守吉國 寛文七年八月日

刃長は約一尺三寸ですから小脇指の類です。それに平造ではなく本造ですからやや詰まった感じは拭えません。そうですね、寛文七年の年紀がある通り、寛文新刀の刀の上半分をそのまま切り取ったかのような印象です。う〜ん、微妙な印象ですが、屋敷の外で侍の二本指を思い浮かべれば程よい長さなのかもしれません。ま、こればかりは家中だろうが屋外だろうが、どういう脇指を好むかは当人の勝手、事さら述べるものではありませんね(失礼しました)。本脇指、状態はかなり健全で目立った研減はありませんが、指裏の鎺元上と棟にに小さな疵があります。気になるほどではありませんが、一応お見知り置きを。

刃文はやや締り心の五の目丁子、焼幅はかなり広く焼出風(といってよいのか?)の形状があります。乱れたというより整然と並んだ五の目に近く、丁子の足も抑揚が少なく至って真面目な印象。ただ、焼頭の形状に特徴があり、蛙子丁子が整列したような匂口・・・見方によっては半円形状の打除が真逆に並んだようにも見えます。単純に丸い頭の上半分が浮き出ている感じで、下半分は小沸の足と馴染んで広がっていく光景です。
作者は伊勢守吉國とありますが作例が少ないのでしょうか、経眼したことも現存作の情報もありません。銘鑑には 姫路藩工とあり、姫路の神谷(現・坂元町)で作刀していたようです。因みに本脇指は年紀から初代の作(無名に近い刀工にもかかわらず年紀にある作、貴重かもしれません)。この吉國、いったいどの系統なのでしょうか? 当時の播磨の刀工といえば、初代・手柄山氏繁・・・う〜ん、この五の目丁子の刃文、手柄山一派に似てるとも似てないとも・・・門人の可能性もありますね。どなたかご存知の方、教えていただければ幸いです。

ページトップ