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脇差
加州住藤原家廣
商品番号 : C-SD123
江戸初期 加賀 保存刀剣 白鞘入
売約済
刃長:48.2cm 反り:0.70cm 重ね:0.75cm
- 体配
- 本造、庵棟、中心は生で孔一つ。鑢目は筋違。
- 地肌
- 板目交じりの小板目肌が流れて詰んだ柾目となり精美。刃寄り、棟寄りも総体に柾目となる。
- 刃文
- 焼幅やや狭く、頭の揃った弯と五の目がランダムに繰り返す。小沸出来のやや締り心の匂口がほつれ、地肌の柾目に沿って金筋・砂流がいたる所に所作する。
- 鋩子
- 直に入り、表は掃掛け気味に、裏は少し弯れて焼詰風となり、浅目に返る。
緩い波模様のような弯れた柾目が、元先まで繰り返す本刀の地肌。家平や兼若など加州新刀には柾目鍛の上出来の刀が多々あるそうで、本刀の柾目もよく詰まれて細かく、少し揺れながら先へ伸びる肌目が印象的です。見所は、その柾目に沿って焼かれた五の目乱とその働き・・・揃い過ぎない頭と谷は至って自然ですが、高さは焼幅がやや狭いせいもあり、ある程度帯状に焼かれています。足は表れず、代わりに小沸が広くついた箇所は匂口がほつれたように所作し、金筋・砂流が肌目に絡んでいたる所に出ています。刃文全体はいたって単調に見えますが、実はかなり激しい働きを見せて刃中も小沸が厚くついています。1尺6寸弱という長さもあってか、柾目鍛の一連jの効果が凝縮されて飽きさせない刃文となっているようです。
刀身とは別に、本刀には一般的な刀にはみられない特徴があります。中心です。六角形と言ってよいのでしょうか、初めての経眼です。鎬筋は刀身から中心へとストレートに続くのですが、それとは別に刃方側から約5ミリの幅を取って第二の鎬筋が作られています。後世の所作ではありません。刃方の厚みを見ればそれが判りますし、鎺元に少し尖ったような角らしき第二の鎬筋と連結する所作が見られます。この珍しい中心、他に類例がないか調べたのですが今のところ出てきません。どなたかご存知の方は教えていただければ幸いです。
本刀の作者、家廣は陀羅尼の系統と思われ、二代(正保頃)であれば家忠の門人となりますが、本刀は代別を極めるのが困難・・・このへんは郷土刀を研究なさっている方のご協力が必要かと。ご指南いただける方のご連絡をお待ちしています。