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脇指
兼舎上 五
商品番号 : C-SD351
戦国時代 甲斐(山梨)・本国美濃 特別保存刀剣 拵入
売約済
刃長:45.5cm・1尺5寸 反:1.2cm・3分9厘
元幅:32.5mm 先幅:21mm(切先から1寸辺) 元重:6.6mm 先重:4.2mm(切先から1寸辺) 目釘孔:1
- 造込
- 大平造、行の棟。
- 体配
- 反深く、総体に身幅が広い。
- 地肌
- 大きめの板目鍛え、棟寄りは柾目が強く切先近辺は切先に向けて流れる。焼出移が少し立つ。
- 刃文
- 匂口のよく締った匂出来の乱刃。兼房乱、矢筈乱、尖刃が交じり、表裏の出入がよく揃う。谷には足がよく入る。
- 鋩子
- 本刃と同様乱れが強く、焼幅深めで先中丸でやや倒れ心。先はやや掃掛け返は寄って滝落状に深く返る。
棟焼が腰元近くまで点々と続く。 - 中心
- 平肉が付き棟は角。檜垣鑢で指表と棟に銘を刻る。
- 彫刻
- 表:二筋樋、裏:刀樋に添樋で丈競。
戦国時代に甲斐武田氏の抱え工となった美濃関出身の刀工「兼舎(かねいえ)」の大平造です。「上」は「たてまつる」と読み、献上品に刻むとされます。
作風は表裏の出入をピタリと揃え匂出来で崩さずに焼く”まさに関”といった出来口ですが、刃長は東海道筋に多いとされる大平造の長さです。この脇差からは「刀工は刀を自由に作る芸術家ではなく、需要に応えて作刀をする職人である」「戦国時代の東海道地域では他街道と違った使い方、剣術が発達していた可能性がある」という事などを読み取る事ができます。棟に「五」という添銘があり、幕末頃と見られる鞘の拵は、金具もよく揃えられて補修もとても手が込んでいます。戦国時代から色々な人の手で大事にされて来たのでしょう。見る度に新しい発見のある一振です。