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大野義光

短刀

於備前国義光作(大保昌写) 平成丁亥年春吉日

商品番号 :D-005-O-081

現代 白鞘(同人鞘書)

1,900,000円

刃長:28.9 cm 反り:なし 重ね:0.82 cm

体配
平造、庵棟、中心は生で孔一つ。鑢目は勝手下がり。
地肌
総柾目肌の流れ心、刃縁あたりから刃先にかけて少し太くなる。指表が少し弯心が強い。
刃文
匂出来の中直刃調で、所々柾目に沿って小さく弯、二重刃、食違刃が交じり、長い金筋、砂流が働く。
鋩子
柾目に沿った掃掛の匂口がそのまま流れ込み、焼詰め風となり、棟焼になる。
備考
大保昌を写した本刀も、当サイトで紹介している大野刀匠の「桑山保昌写」と同じ頃に作刀されたもので、姉妹作といっても良いかもしれません。この二振以外に柾目鍛をもう一振作ったそうです。三振すべてが顔を合わせれば、保昌柾目肌三美人・・・冗談はさておき、本刀もまた、精美な肌から魅せる柾目の所作に目を奪われます。本作は特に物打から上に現われる二重刃・三重刃の如き重なり流れる所作が見所の一つかもしれません。流暢な筆遣いでスーっと薄墨の線を描いたような景色が印象的です。
タテの所作(※本サイト・中原信夫氏による「刀剣ルネサンス」参照)にこんなにも惹かれるとは・・・大野刀匠の作刀に対する研究や試みは、私達の刀剣に対する見方や感じ方に一石を投じるものですね。少し意地悪ですが、実際、本刀を鑑定会へ出したらどんな極を応札してくるのでしょうか。見てみたいものですが、当サイトで紹介してしまったら、あまり意味のない事になってしまいますね・・・残念。因みに本刀に付けられた鎺には、鳥獣戯画の一場面(兎と蛙)を大野刀匠が自ら彫上げています。いやいや、上手なものです。そして芸が細かい。

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