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大野義光

短刀

越後国義光作 為□□家 昭和六十一年八月吉日

商品番号 :D-009-O-090

現代 白鞘

売約済

刃長:28.6 cm 反り:0.25 cm 重ね:0.58 cm

体配
平造、三つ棟、中心は生で孔一つ。鑢目は勝手下。表裏に棒樋を鎺元まで掻流。
地肌
小板目肌に板目交じり、よく詰み地景が現れる。
刃文
焼幅広く、緩い五の目乱に逆丁子。刃中に小沸が微塵につき、刃縁は冴える。
鋩子
逆丁子が乱れ込んで足が長く所作し、掃掛けて直線状に深く返る。
備考
見た目よりは匂口の働きが激しい一口です。表裏ともに焼元より徐々に焼幅が広がり、まるで元から斜目に刃文を焼いたように見えます。その逆丁子の匂口の角度もかなり傾斜があり、切先の向こう側に向かって炎がなびいているかの光景です。丁子の足は長く、加えて大野刀匠らしい柔らかいグラデーションが見事に働き、わずか一尺に満たない姿を華やかに演出しています。余計なイメージかもしれませんが、赤というより青白い炎が燃え盛り、風に揺らぐではなく自ら胎動する感じの刃文です。元々、逆丁子が得意の大野刀匠。特に平造の脇指・短刀には逆丁子の優作揃い、為打ということもあって申し分ない逸品です。
一見、お守り刀として作られたのかと思いましたが、少し長めなのでどうなんでしょう・・・でも、女性にとても似合いそうな短刀に思えます。重も少し薄めなので手にすると思ったより軽く、これはゴツい男性よりも女性の一口だなと勝手に思い込んでいます。激しい刃文なのに、その匂口の優しさがそう思わせるのでしょう。
残念ながら本刀には拵が付いていません。お守り刀として愛蔵するなら、花嫁衣装ならぬ麗しき拵を着せてあげねば・・・(いつまにやらすっかり父親気分)・・・先ほど、青白い炎のような刃文などと言ったからには、青系統の色をした拵が似合うかと。でもこればかりは、愛蔵する方の権利で、仲人が口を出すことではありませんね。おまけに、彼女は出戻りですから・・・どなたかと良いご縁がありますように。

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