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短刀・槍・その他

短刀

相模國人源久義 慶應二年五月日

商品番号 :D-010-176

江戸後期・幕末 相模 特別保存刀剣 白鞘

750,000円

刃長:25.6 cm 反り:内反り 重ね:0.80 cm

体配
平造、三つ棟、中心は生で孔は二つ、鑢目は化粧に筋違。
地肌
大板目肌に杢目交じり、よく詰んで精美な肌となり地景となる。刃寄りは所々柾心に流れる。
刃文
沸出来、ふっくらと深く僅かに弯れた中直刃。匂口は刃寄りがほつれて小足が所作し太直刃のごとく刃先に向かって馴染む。。刃中は微塵な沸がつき、肌目に沿って金筋が頻りに所作する。
鋩子
直状に入り朧のように拡がる。返は深い。
備考
内反りとありますが、どちらかといえば中間反の姿をした本刀。鋩子の返もかなり深く、焼幅も上に行くに従って広くなっています。時代は幕末の作ですから研減った姿ではなく最初からこの造込・・・明らかな写物です。沸出来のほつれた深い匂口、著しい金筋、そして大肌の板目から想像すれば、新藤五国光あたりの短刀に倣ったと考えるのが自然です(なにせ相州ですから)。あえて名物を挙げるとしたら会津新藤五でしょうか。それにしても本刀の地肌は見ものです。明るく冴えた精美な肌にくっきりと板目や杢目が浮き出てみごとです。決して肌立ってそう見えているのではありません。そこへ金筋が肌目に沿って幾重にもなって現れます。刀身全体が地景に溢れるという感じです。肌物好きも金筋が好きな方も気になる一振りだと思われます。刃文も直刃の枠に収まらない直調の小乱、なにせ刃先側のほつれ具合は雲のごとき朧のように拡がります。一般的に締まった匂口が多い新々刀で、このような匂口はあまり見かけません。沸崩れや叢もなく極めて良い出来です。
作者の久義は清麿に並ぶ幕末の人気刀工・左行秀の師として知られています。師だから評価するというのは久義に失礼です。本刀のような作を経眼した後なら、久義あっての行秀ということが頷けると思います。もちろん長運斎綱俊も同じで、綱俊あっての行秀・・・較べての評価ではなく、一振一口その出来その趣向で評価をしたいものです。

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