刀装具の考古学 HOME
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謎と疑問だらけの刀装具

刀装具、主に小柄(こづか)・笄(こうがい)・目貫(めぬき)・鐔(つば)を購入する際、皆さんはどこに惹かれて選んでいるのでしょうか。当然、画題(デザイン)や作者(銘・流派)といった趣向が大きく影響していることでしょう。では、それらの好みを外して単純に作品を評価するとしたら・・・。
現在において刀装具は美術品です。歴史的、文化的な価値を擁する貴重な古美術品です。それを前提にした価値基準は、時代(年代の古さ)、出来(品質・技術)が基本にあり、それに健全度、希少性、需要度(作者・流派)が変数として加減されるものと当店は判断しています。これは刀剣類の評価でも同じことだと思います。
それでは一番の要となる「時代」を判断する根拠として何があるでしょうか。まずは、作られた当時の技術・技法、材質があります。姿やデザインも時代を極めるポイントであり、時代を映し出す鏡といえるでしょう。極(きわめ)のための確かな根拠と知識(時代背景も含めて)から導かれる評価は、作品が持つ本来の価値を表すものだと思います。逆に、在銘や伝・由来などは極の根拠としてはあまりにも脆弱なものだと捉えています。刀装具の在銘は、刀剣と比べようもなく信用性が低く、真偽が入り乱れ混沌としているのが現状であり、市場に出回る大多数が疑いの眼を持って見るしかない状況です。ましてや、桃山期以前の在銘作などあり得ません。仮に存在したとして鑑定書による重要刀装具クラスの一握り。鐔・拵(こしらえ)に至っては、その殆んどが幕末から明治以降の作というのが真相です。一部とはいえ、参考とする書籍さえ偽物(ぎぶつ)が載り、根拠のない絵空事の解説文が教科書として読まれているのも事実です。そんな魑魅魍魎の業界を垣間みて、皆さんはどう対処されていくのでしょう。
当サイトには刀剣・時代刀装具研究家の中原信夫氏による刀装具の的確かつ詳細な解説が掲載されています。ぜひ一読して参考にしていただければ幸いです。
(本サイト・中原フォーラム/刀装具の研究を参照)

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